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本の紹介:ただの古い短編推理小説集であるが、第二話「偽狂人の犯罪」は、統合失調症の詐病を題材にした珍しい著作である。非専門家なりによく下調べはしてあるが、派手な陽性症状ばかりが前面に出て、陰性症状やプレコックス感にはあまり触れていない。病型としては、妄想型と解体型が混合したような感じで、しかも病状の進行があまりにも急速である。また、向精神薬等に対する反応のほか、統合失調症の特徴的な病前性格や発病状況もスルーしている。これでは、現代の鑑定医の眼を欺くことは不可能である。とどめに、わいせつ本の朗読に対する被告人の反応をのぞき見して詐病を看破するというオチは、読者をなめているとしか言いようがない。
著者: 松本清張
発行所:新潮社
出版年:1974
言語:日本語
装丁:ペーパーバック
本の状態:シミ汚れ、ヤケ、使用感あり。
本の長さ:286ページ
ISBN-10 : 410110932X
ISBN-13 : 978-4101109329
寸法・重量:15.3×10.6x 1.1cm/148g
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